素晴らしい大会でした。勝負の行方は前半からマージンを広げる柳原選手。ナビゲーションやリズムを一気に習得して集中を高めてきたカイザー選手。勝負の分かれ目はDay4、夜のSSに巧みなナビとストイックさで到着したカイザーはデイライトの残るSSをパーフェクトに走って、首位に大きく肉薄。そして、ナビゲーションの試された翌日のSSで、大逆転。本当に見ていても楽しく、そして会心のライディングで勝利を手にしました。
思えば二人とも初出場。ラリー経験こそカイザーに歩はあるものの、慣れない日本の道や生活。それでも毎晩タイヤを新品に履き替えて、まるで武士道のような潔い立ち姿で、ルーティンをこなしていました。偶然なことに惜しくも優勝を逃した柳原選手。今年のISDEドイツ大会に出場予定とのこと。何か日本とドイツの不思議な縁を感じずにはいられません。
ブルーアイランドトロフィーもドイツから参戦のカールさんの手に。どうも今回はドイツ旋風にやられちゃいましたね。
それでも前半の荒天、後半の抜けるような青空。何かを示唆しているかのように、耐えればそこに輝く光降り注ぐのだ、てな感じでした。たくさんの参加者の皆さんの健闘には心より深く感謝申し上げます。
少しダート比率の下がった今大会はそれにまして走行距離が増えた。少しずつ整備が進む3ケタ国道も残念な気持ちだ。いくつもの取り残された限界集落を見た。人の暮らしも変わったのだが、それも行き詰っている。小さな日本の縮図のような四国は、美しい山河とそこにつつましやかに暮らす人々の美しい調和に、旅人達は心奪われていたのだ。遍路の旅は「同行二人」と言われている。自分には信じる人がついているから寂しくないのだと。最終日、旅を振り返りつつゴールのフラッグをくぐる。ひょっとすれば、ささやかな安堵と満足感に心が癒される。
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